難聴とは

難聴画像

難聴は、聴覚が低下して周囲の音が聞こえない、もしくは聞きとりにくくなっている状態です。このうち、純音聴力検査にて25~39デシベルの場合を「軽度難聴」、40~69デシベルを「中等度難聴」、70~89デシベルを「高度難聴」、90デシベル以上を「重度難聴」と呼びます。

当院では補聴器専門の外来枠を設けており、補聴器の相談ができます。ご興味のある方はお気軽にご相談下さい。

このような症状はご相談ください

  • 周囲の音が聞こえにくくなった
  • 相手の話している言葉が聞き取りにくい
  • 聞き間違いしてしまうことが多くなった
  • 聞こえの問題で周囲とのコミュニケーションがうまくいかなくなった
  • 耳が詰まった感じがする
  • 音が二重に聞こえてくる
  • 耳の中に水が入ったような状態が続いている
  • 耳鳴りがする
  • 音が歪んで聞こえる
  • 音の聞こえ方がいつもと違う
  • 聞こえにくいだけでなく、めまいも覚える

など

伝音難聴

難聴の中には、外耳や中耳の障害によって引き起こされる「伝音難聴」と、内耳や脳の障害によって起こる「感音難聴」があります。このうち、伝音難聴は、大きな音ならば聞き取れるのですが、小さな音が聞こえにくくなります。進行すると、大きな音も聞こえなくなります。主な原因としては、中耳炎などの病気、耳小骨の奇形などが考えられます。治療は、まずは薬物療法を行ったり、補聴器を使用したりして、しばらく様子をみます。患者さまによっては手術が必要になることもあります。

感音難聴

感音難聴は、内耳や聴神経の異常によって起こります。原因はいくつもありますが、先天的な原因と後天的な原因に大別できます。前者の先天性難聴は、遺伝や胎児期における発達異常などにより、出生した時に難聴が生じています。後者の場合は、加齢、外傷、騒音、髄膜炎、聴神経腫瘍などにより、後天的に引き起こされます。いずれの場合も、周囲の音を把握できなくなり、人とのコミュニケーションなどに影響がでます。治療は、難聴の程度によっても異なりますが、補聴器の使用、人工内耳の装用などを検討します。

突発性難聴

突発性難聴は、感音難聴の代表的な疾患です。詳しい原因は明らかになっていませんが、片方の耳がいきなり聞こえなくなってしまいます。そのほかにも、めまい、耳鳴り、耳閉感などに悩まされることがあります。また、症状が一度起きてしまうと回復するのに時間がかかることが多いです。治療は、主に薬物療法となります。患者さまの状態を見極めたうえで、ステロイド薬の内服または点滴を行います。プロスタグランジン製剤やATP製剤などの血管拡張薬、ビタミン剤を用いることもあります。また、精神的ストレスが原因となっているケースもあるので、心身ともに安静にして、ストレスを解消することも重要です。難聴の程度によっては、入院治療をお勧めすることもあります。なお、突発性難聴は早期に治療を行うほど聴力が回復しやすくなるといわれているので、なるべく早い時期に耳鼻咽喉科を受診するようにしてください。

メニエール病による難聴

メニエール病によっても難聴が引き起こされることがあります。何の前触れもなく、グルグルと目が回る回転性のめまいがみられるほか、片側に耳鳴り、低音障害、耳閉感、難聴なども現れ、片耳だけでなく両耳ともに症状が起きることが特徴です。このような状態は数分~数時間ほど持続し、何度も頻繁にみられるようになりますが、めまいが消えていく頃には、すべての症状は軽減、あるいは解消されるようになります。
内リンパ水腫という内リンパ液圧の上昇によるものとされることから、ホルモンの影響が考えられますが、発症原因の特定はされていません。このほか、ストレス、疲労、寝不足、気圧変化(寒冷前線通過)などが誘因していると言われています。